塵をのぞく、垢をのぞく

釈迦の十大弟子の一人であるシュリハンドクは何をするにも出来が悪くて覚えが悪く、自分の名前さえも忘れてしまうので、自分の名前を書いた旗を持ちながら歩いていても終いには自分が旗を持っていることも忘れたそうですが、自分の愚かさを嘆き悲しむシュリハンドクに対して釈迦は、「お前は自分の愚かさを知っている。世の中には、賢いと思っている愚か者が多い。自分の愚かさを知ることは、最もさとりに近いのだ」と諭して一本の箒と「塵をのぞく、垢をのぞく」という言葉を授けると、シュリハンドクはそれだけを忠実に続けて、やがて悟りを得ることが出来たそうです。

掃除は悟りにも繋がる大切な行であり、心の垢を落としていくことこそ修行なのです。

高野山真言宗やすらか庵ではお焚き上げ供養を実践していますが、シュリハンドクの掃除の心を大切にして、一人でも多くの人の心が清められますようにとの願いを込めての実践なのです。