古い道具は100年経てば妖怪になるという意言い伝えがあって、その妖怪のことを「付喪神」と言いますが、付喪とは九十九と書くことからも分かるように、百に対して一足りない数字のことで、要するに長い時間が経過することを言います。
妖怪物は江戸時代になって盛んに編纂されるようになりましたが、今の時代のように大量消費の文明とは違って、物を大切に使う時代のことでしたから、生活道具にしても壊れたら修理をして使うことが当たり前のことであったのです。
それでもどうしても使えなくなったり古くなったりした物に関しては野山に放るということで、決まった場所があったようですが、そういった場所には使えなくなった道具が夜になって動き出したり、動物などに化けて徘徊したりする幻影があちこちで見られたのです。
高野山真言宗やすらか庵のサイトでは付喪神のコーナーに新たに「妖怪一覧辞典」を追加しました。