数珠と輪袈裟のお焚き上げ

四国八十八か所霊場巡りや西国三十三観音霊場巡りなどでは専用の巡礼用品が売っていて、杖傘や白衣数珠や納経帳などがセットで購入することが出来ます。

一つ一つ揃えれば結構値が張りますし、買い忘れがあってもいけないからということで買った巡礼用品の中に必ず含まれる「数珠と輪袈裟」は霊場巡りではなくても寺社巡りに使えますし、日常的にも使うことができますので、巡礼が終わっても常に使える所に置いておきましょう。

数珠は読経したり真言を唱えたりする時に数を数えるために使いますし、輪袈裟はポケットに入れて持ち歩きが出来る最も簡単な袈裟ですが、これを付けるだけで袈裟を付けたと同じ効果があり、気持ちが引き締まります。

今は亡き親の家の片づけをしている時に、巡礼の時に使っていた数珠と輪袈裟がタンスの引き出しなどから出て来たら、それはきっと自分のためでは無くて、誰かのために願いを掛けて巡ったであろう大切な思い出の品のはずでございます。

巡礼というものは自分の幸せばかりを願う場では無くて、人の幸せを願う場でもあるのです、自然の中を歩きながら祈りながら辛くても苦しくても一歩一歩進んでいく修行なのです。

ある時は自然を感じ、神仏を感じ、亡き人を感じながら経を唱え、心の中で目には見えぬ方々と対話しながら歩んだはずでございます。

それはもしかしたらあなたの幸せを願って拝んでいてくれたのかもしれません。

今となっては分かりませんが、こういったものはごみに捨ててはいけません、お焚き上げ供養を利用して天にお還しするのがよろしいかと思います。

そういう心遣いの気持ちが親孝行なのです、「親孝行したい時には親は無し」